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第5回

しーちゃん「今日は前回に続き、武道の歴史を師範と一緒に紐解いていきたいと思います。」

しはん「前回の復習ですけど…“武道”からスポーツ化することで、普及しやすくなる部分とか、運動としての効用とか、競技って、そういうところが素晴らしく発展するじゃないですか。ですけど武道の特色っていうのはスポーツからはみでちゃっている部分がいっぱいあります。もともとスポーツとは違いますから…。形骸化してなくなってしまってはもったいないなぁっていうところら“道やりませんか!”...豊空会という団体を起こしました...という所までお話し差し上げたんですよね...。

 

空手ということに特化しますと、スポーツ競技化するにはルールが必要じゃないですか。それによって技術の発達も違いますし…まずは安全。格闘ですからね、競技にするということは、ルールをつくるという事は、安全面をまず…そこから入るわけです。ルールで選手を守らないといけないわけです。

 

…ルールをつくるのとは逆…武道の中でも“武術”の部分のお話ですけど…残酷な話ですが、いかに相手の弱いところを、一番危ないところを、一番危ない技で攻撃するか…そうすると、簡単に人を壊せるわけです。

 

でも、スポーツにするには、そこから全部ルールにしていかないといけないわけです。一番危ない場所をまずやめましょう、一番危ない技はやめましょう。そうやって競技にして、安全なスポーツとして技を競い合える。それが格闘競技です。

 

ですから武術…人をいかに早く、有効に壊せるかというところから、格闘競技になってスポーツになっていった…部分と、武術じゃなくて“武道”、“道”は、目的は武術とも格闘競技とも違って書道茶道華道そういうものと、あと、神道、仏教などもそうですけど...そういう内面もそうですし身体…良い身体を持つとか、良い心を持つとか、そういうことを目的にしたいという人たちにも武道は需要していただけますよ...っていう所が武道の良い特異性、優秀性かなと思います。」

しーちゃん「空手っていうのは、流派とかそういうのはいくつぐらいあるんですか?」

しはん「いくつとか、もう数えられない位あるんじゃないでしょうか…。ただ一番はじめの流派っていうのは、考え方であったり、技術論であったり...そういうことだったと思うんですが...今は、どのスポーツのルールを採用しているかということで連盟があって、フルコンタクト空手とか防具付き空手とか…今回オリンピックで採用されたノンコンタクト空手というのがあったり...それぞれに連盟があります。

 

ノンコンタクトというルールは一番安全性も、競技性も優秀だということでそれがオリンピックで採用されたと思うんですが、他のルールを採用されている団体の方々も非常に皆さん競技として頑張られていると思います。

 

空手って、ちょっと競技化とか競技のメジャー化が遅れたために、逆に言えば、いろんな取り組みやいろんな発展性というものを持ちやすかった...そういう利点もあったと思います。…でも、それが、皆さんから見たら、空手ってたくさんありますよね…って...。そういうところが空手のわかりにくいところ…柔道や剣道とかと比べてわかりにくい…のではないでしょうか...。」

しーちゃん「空手はオリンピック競技にになるのが遅かったわけですが、そういうルールの統一化とかが難しかったからですか?」

師範「そういうことですね。でも逆に言えば空手家の方々って、技もそうですし、コンセプトやポリシーとかも、良い意味でこだわりになられる方が多いのではないかと思います。自分もその一人です。みんなが空手の発展のために切磋琢磨して、それぞれの項目を背負って立って、より他の…例えば柔道や剣道ができない部分を空手は担っていけると…空手の中でも豊空会が担える部分を、武道空手のために空手のために運動のためにがんばっていきたいなと…そういうふうに思います。」

 

しーちゃん「師範は、“道”というものが、今後どうなっていって欲しいですか?皆さんにとって…」

 

師範「もっともっと武道を身近に感じていただくと同時に、スポーツ競技はどうしても若い方を中心に展開されて、そうでない方は私にはそんな過激なことできませんってなってしまいがちなところを、そういうことではないんですよって…。 道というジャンルは老若男女皆さんにとって有益なものを内包していますし、そういうプログラムをきちんと形成していける可能性のあるジャンルです。それを皆さんにもっともっと身近に…。武道ってもっと怖いものだったりとか、そればっかりではないんだよ…というふうに身近に…武道やってみようかなっていう方々をもっともっと増やしていきたいと…そうありたいと思います。」

 

しーちゃん「道というものがもっとたくさんの人に知ってもらえて、より興味を持ってもらえるといいですね!」

 

師範「そうですね、いろんな目的に耐えうるのも武道の特徴だと思いますから、皆さんそれぞれの目的の空手道場、武道の道場に足を向けていただけると嬉しいなと思います。」

 

しーちゃん「前回に引き続き今回も、たくさんのお葉書をいただいています。そのご紹介をしたいと思います。」

しーちゃん「ラジオネーム七転び八起きさん。師範は10歳から空手をやられていると言われていましたが、我が家の小3の子は…飽きっぽい性格で、なかなか習い事が続きません。ひとつのことをやり続けることに何か秘訣はありますか?」

しはん「秘訣ですか…そうですね、でも、もしかしたら、まだ、“これだ!”というものに出会えてないだけかもしれませんね…。」

しーちゃん「師範も10歳の頃に、“これだ!”って思えたわけですよね?」

しはん「自分も空手の前には何も続きませんでしたからね!(笑)」

 

しーちゃん「やっぱり出会いが大事ですよね!」

 

しはん「それを見つけていただきたいなと思います。見つけたら、それにまっしぐらになれるかもしれません…。“これだ!”っていうものに熱中できる時が来て欲しいですね!」

 

しーちゃん「続いてのお葉書です...。道やりませんか、毎回聞いています。小学3年生の息子に武道を習わせたくて、空手に入れたのですが、ウチの子供が習っている空手と、師範の空手は違うようです…。空手は、いろいろあるんですね…。どんなところが違うとか、田部井師範の豊空会の空手の特徴を教えてもらえますか?」

しはん「それを皆さんに毎回わかりやすくちょっとずつ解っていただけるように...がんばります。豊空会は、競技に特化したり、人と比べてどちらが...ということよりも、以前の自分よりは確実に強くなっていたり...いろんな意味でですけどね...。確実に以前の自分よりもいろんなことが良くなってきたなということを、ちょっと言い方はなんですが、克己(こっき)の精神ってあるじゃないですか...自分に克つ(かつ)と言う事はどういうことかということを主に…。

 

・・・人と比べるというのは確かに自己満足じゃない部分で必要な部分もありますが、やっぱり前の自分と比べてどうかな?ということが、人より劣っているとか、コンプレックスもなければ、僕の方がいいっていうふうに慢心とかそういう部分もなくなって、冷静に自分のことを見つめることができる。

”自分を超えたい!“と言うキャッチフレーズでやっているんですが、それは自分自身も含めて昨日の自分を超えていたいな…とか、去年よりは良い自分になれた...とか、反省も含めてそういうことを目的にやっているのが豊空会であり、武道空手だと思います。」

しーちゃん「師範も昔はコンプレックスだらけで自分に自信がなかったっておっしゃってました...精神面も鍛えられる...そういうことですね。」

しーちゃん「ラジオネームまきこさん、空手の先生と言うと、寡黙で厳しいというイメージがあったのですが、田部井師範は、お話が分かりやすくて、お上手で...空手の師範というイメージがすごく変わりました!...というメッセージをいただきました。確かに、師範は、身長も大きくて堂々としていらっしゃるから、お話をされている時とのギャップがあるかも知れませんね! ...よく言われませんか? もっと怖い人と思ったとか…(笑)」

 

師範「自分に限らず...空手の先生は、皆さんおやさしいいですよね! ...おやさしいと思います。」

 

しーちゃん「厳しい中に優しさというか温かさがあるという方が多いですよね...。」

 

しはん「その辺りを誤解なきよう...空手の先生を代表して申し上げますが...空手の先生は優しいですから、安心して空手道場に足を向けてください!(笑)」

しーちゃん「本当に師範はいつもニコニコしていらっしゃって...一緒にお話をしていて、人柄が伝わってきます!」

 

しはん「しまりがないということでは無いですよね!?(笑)」

 

しーちゃん「そういうことじゃないです!メリハリがあるということです!(笑)」

 

しーちゃん「続きまして、ラジオネームスライムさん。ラジオ聞きました。先生のお話しを聴いてから、すごく気になって、お稽古風景を見たくなりました。他の空手とは違う護りの武道空手というのは、具体的に見てみたいなと…どんな稽古の雰囲気とか、そういう様子も、また聞かせていただきたいと思います。」

しはん「ぜひ!ですね…(笑) 武道は…我々が習っていた時代は、“歯を見せるな!(怒)”って言う感じだったんですけど…。 現在は...ちょっと理屈っぽいかもしれませんが、脳科学的には、ところどころで笑うとか、そういうリラックスが入ると非常に難しいことも楽しく入ってくるっていう...そういうデータがあるぐらいですから...豊空会の道場では、自分がちょっと率先して、バカをやったりしてですね...(笑)...そんなことで楽しい中にも皆さんに有益なものをお伝えできるように...そういう雰囲気で稽古もやっています。」

 

しーちゃん「もし今、空手を始めたいなという方で、内気な方でも、厳しくて、“あーやめたい!”とかにはならないですね!?」

 

しはん「大丈夫です!」

しーちゃん「ラジオネームナカミチさん...大変興味深く聞かせていただいきました。私も“道”とつくものに携わらせていただいております。ただ伝えられた形をやるだけで、それが伝統...と、深く考えたこともなく続けてまいりました。しかし師範のお話を伺い、“道”というものが意味なく形だけのものではないと考えさせられました...と。…やっぱり深いですもんね!“道”っていうのは!」

 

しはん「いちばんお伝えしたいところを、ちゃんと汲み取っていただいているお葉書で...難しいところですけど、そういうふうに理解を...他の“道”をやられている方に、もしかしたら何らかのヒントになったりモチベーションになったり...そうしていただけたらこの上ない喜びです!ありがとうございます!」

しーちゃん「豊空会さんは空手ですけど、“道”という部分で、いろんなところと繋がる部分がありますね!」

師範「はい、ぜひ、お話ししてみたいですね!」

しーちゃん「全てのお葉書を紹介できなかったですが、今月も本当にたくさんのお葉書をいただきまして、本当にありがとうございました!」

...そんな内容の第五回目のOAでした。

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