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第3回

↑OAを見学に来た少年少女部の道場生と

しーちゃん「道、道とおっしゃっていますが...道はもともとどこから来ているんですか? ルーツっていうか…」


しはん「ルーツは...さかのぼっていくと、神道(しんとう)...神の道...古来からの日本の信仰っていうのは...仏教よりもずっと昔から信じられていたのは神道なんですよね...。神様です。 神道の”道”という部分と武道、茶道、書道、華道とか、ありますよね...それらの”道”から...。」

しはん「武道は、もともと武術...。 昔は...戦国時代とか江戸時代ぐらいまでは、剣術と古流柔術…いってみれば戦場の…」

しーちゃん「古流柔術っていうのは?」
 

しはん「戦場で剣や槍が折れたり取られちゃったりしたときに素手になっちゃいますよね。その時に相手の武器を取って自分のものにする技術...合気道とかはその名残があったりします。関節技があったり、それで相手の武器を取るとか、そういうところに名残が残っているんですけど...。

そういうところから少し平和な江戸時代とかになって、”武士道”とか聞いたことあると思いますけど、神道や仏教の影響を受けながら考え方っていうか、思想というか、そういうことを大事にしていくように少しずつなりながら、目的が人を殺したりとか相手を攻撃したりとかいうことよりも、自分の内面であったり...そういうところにフォーカスするようになっていったのが...武道です...。」

しーちゃん「もともとは戦(いくさ)のために使われていたものが自分を護るためということに変わっていった…?」


しはん「自分を護ると言う事もそうですし…良い話が出たので…格闘技とかスポーツ競技等と武道と何が違うんですか?って聞かれることがあるんですね。もちろんたくさん違うことがあるんですが、一番象徴的なのが、格闘競技っていうのは攻撃技を評価する...いかに攻めたかっていうことで優劣がつきますが、武道は、いかに護ったか…目的が反対になってきます。そうするとスポーツになりにくい...いかに護ったかというのは、評価しにくいじゃないですか...そこが武道の考え方…スポーツや格闘技と武道は目的が違う、そういうことがスポーツや格闘技と武道の区分けになってくると思います。」

しーちゃん「師範がいつもおっしゃっている”道”というのは武道の”道”から来ているんですよね?」
 

しはん「そうです。 スポーツや格闘技の素晴らしい部分がありますよね...。それとは別のところに”道”の素晴らしい部分があります。その”道”としての部分を、我々豊空会が担って、残していきたいと…そういう想いで豊空会という団体を創ったんです。」

しーちゃん「”道”がつくものって、武道以外にも書道とか茶道とかいろいろあるじゃないですか、それも師範が言われている”道”っていうものに当てはまるんですか?」


しはん「そうですね、具体の向こう側って言うんですかね...武道は、戦うことを題材にしていますが、武道の考え方が”護る”という事ならば、自分から攻撃を仕掛けない、でも攻撃されたときには最小限の...相手も護りながら自分も護る...みたいな、そういう思想に武道がいくとするならば、お茶とかにも具体の向こうがないと、作法をやって時間をかけてやる意味がないですよね...。書道なんて、今、パソコンで字を打てる時代ですからね、時間をかけて墨をすって毛筆で書く...なんて、無駄だということになってしまいますよね...。でも、具体の向こう側...お茶の向こう側、ただ飲むだけでなく、書を書く向こう側、ただ書くだけではなく、毛筆だからこそ必要な身体の使い方とか...具体の向こう側に”道”という共通項があります。」

しはん「神様の前でパンパンってやる作法にも意味があります...。そういう部分は、失われていきやすいんじゃないかなと思うんですね...。書道や茶道、華道というものは...皆さん”やらない”という方向になってきているように思いますが...その有益性を...皆さんにただ字を書くだけじゃないし、ただ殴ったり蹴ったりする技を教わるだけじゃないということを、もっとみなさんの身近にしていきたいと考えています。」

しはん「…なんか難しかったり、怖かったり、ちょっと敷居が高かったり...というところを、皆さんにすごく役に立つんだよ、心にも身体にも良いことがあるんだよ...というところに武道を持っていきたいなって…そういう願いを込めて毎日、道場で皆さんにお伝えしているんです!」


しーちゃん「空手というのはいつ頃できたんですか?」


しはん「古いんですけど...もともと沖縄で形成されたんです。もちろん沖縄という土地柄、日本や中国など...東南アジアの影響を受ける場所だったので、様々影響を受けながら...沖縄で形成されました。沖縄から本土に最初に渡ってきたのが大正時代、そこから日本の武道の影響を受けながら”空手道”という風な格好に…。」


しーちゃん「もともとの空手は先に攻撃を仕掛けてもいいものだったんですか?」


しはん「いえ、”空手に先手なし”という言葉がありまして...一番最初に本土に空手を伝えたと言われている船越先生という先生が見えるんですが、その方が残した言葉です。まさしく先に仕掛けない、開祖たる人の願いであったという事は、ほぼ間違いないんじゃないかと。」
 

しはん「空手には”型”があるじゃないですか...空手は型で伝わり、全て型から始まっているんですが...。 ...空手の型って、全部受け技から入るんですよ! 攻撃技から入る型は無いんですよ。」

しーちゃん「武道の元の形は、師範が言われる”道”と通じるというか近いんですね...現代になって変わっていって、競技になったりとか…」


しはん「スポーツ競技、格闘競技などの効用は…空手は、こんなに世界に広まりました。空手というものを知っていただくことに、ものすごく貢献してくださいました。もちろんスポーツとしても、格闘競技としても、皆さん素晴らしい身体操法や強い精神力を持たれているので、同じ空手というジャンルの中にいる人間として本当に尊敬しますし、素敵なことだと思います。が、ただ、残すべきクラシカルな部分というんですかね...」

しーちゃん「競技としての空手もありつつ、武道の道という部分も残しつつ…」


しはん「そうですね、それぞれが担当して武道というものを、もっともっと皆さんの身近に浸透していくように...知ってもらえるように...そのように思っています。」
 

しーちゃん「”道”は...”護身”に近いものなんですか?」


しはん「一番の違いはなんですか?と言われた時に、”護る”と言う方に重点がある…”護る”には厳しい攻撃にも対応できるようにしなければならないので、そのために攻撃技を磨きます。さらにそれを防御していけるように...せめぎ合いと言うんでしょうか...矛と盾のせめぎ合い…そういうところがまた武道の特徴かな...と。」


しーちゃん「護るのが強くなったら、自分にも自信がつきそうですね。何かあったときに自分の身は自分で護れるという気持ちを持つだけでも、自分が変わっていけそうですね。」


しはん「そうですね、ですから最近、ご年配の女性の方とかも大勢はじめて下さっています。」


しーちゃん「豊空会には、女性の方も…?」

しはん「うれしいことにそうなんです! 大歓迎です!」


しーちゃん「護身や運動にもなる...いいですよね。」


しはん「いい汗かいて、自信もついて...本当にイイと思います。」


しーちゃん「これからも空手のルーツとかいろんなことを聞いていきたいと思います!」

...そんな内容の第三回目のOAでした。

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